2021/01/27 23:04

雲ひとつない青空が広がる気持ちのいい朝。
でもそれを素直に喜べず、憂鬱な表情になってしまうのが私たち花粉症。午前中から気温が上がると、大気は花粉で満たされ、目は痒くなり、鼻はムズムズ、喉もひりひり痛むんです。

去年の春以降、特につらいのが「咳」。

電車やバスの中で、辛そうに咳き込んでいる人がいたら「もしや・・・」と警戒心が押し寄せてくるのはよくわかります。遠くに離れたほうがいいのかしらと不安に感じたり、「体調悪いのに外出してくるなんて非常識な」と苛立ちを感じるかもしれません。

でも花粉症の人にとって毎年この時期に諸症状がでてしまうのはどうしようもないこと。
抗アレルギー薬のおかげで、症状はかなり抑えられるようになりましたが、うっかり前夜に飲み忘れてしまったり、車を長時間運転する日には副作用が心配で飲めなかったりすることもあります。

「こんな時期に咳でまわりの人を不安にさせてしまって申し訳ない」

なるべく我慢して、どうしようもない時でも人から離れた場所で咳するようにしていますが、移動が間に合わないこともあります。小さな咳でにらまれてしまい、外出すること自体が怖くなってしまったという花粉症の方もいました。「花粉症なのに睨まれた」と逆に相手への怒りを抱いてしまう人もいました。

双方ともに過剰反応ですが、こんな情勢でナーバスになってしまうのも仕方ありません。マスクでお互いの表情が見えないことにより、不信感も強まりがちですし、時には攻撃的にもなります。

でも落ち込んでも、他人を責めても、何も解決はしません。
少しでも状況が改善される方法を模索したいもの。

どうしたら無駄な軋轢を減らせるのか。
少しでもまわりの不安を和らげる方法はないものか。
自分自身の無駄なストレスも減らせないか。

そんな思いから、この「花粉症なんです」ゴム判は誕生しました。

私自身、マスクにこのゴム判を押すようになってから、気持ちが少し楽になりました。

外出先で会った方から「ああ私もなんです。この時期は辛いですよね」「花粉症の方は大変ですね」と声をかけられることも増え、束の間の交流や見知らぬ人との連帯感で心がほっこりすることも。

今年も花粉の飛散が始まれば、毎日の通勤や外出が例年以上に憂鬱になってしまうという人、たくさん現れるでしょう。

このゴム判の他にも、マスクに貼るシールも販売されていますし、手描きでもいいと思います。
顔の約半分を占めるマスクスペースを「小さなメッセージを発信する場」として活用してみてはいかがでしょうか。

きっと何かがちょっとだけ変わるはずです。